2026.04.21
お知らせ
AACR2026:肺癌の治療後残存細胞を支える微小環境をヒトiPS細胞由来オルガノイドで再現(米国・サンディエゴ:4月21日)
2026年4月17日〜22日に米国サンディエゴで開催された「AACR Annual Meeting 2026(米国がん研究会議年次総会)」において、弊社取締役・Head of Translational Scienceの鈴木敏夫が、千葉大学との共同研究によるヒトiPS細胞由来肺胞オルガノイドを用いた肺癌研究の成果を発表しました。AACR年次総会は、がんの基礎研究から創薬・臨床研究まで、世界の研究者が最新の知見を共有する国際学会です。
今回の研究では、薬物治療を受けても生き残るdrug-tolerant persisterに着目しました。DTP細胞は、治療後の再発や薬剤耐性につながる可能性があり、その生存を支える仕組みの解明が重要な課題となっています。
本研究では、弊社のヒトiPS細胞由来肺胞オルガノイドに肺癌細胞を組み込む技術で、がん細胞と周囲の肺胞上皮細胞・線維芽細胞が共存する三次元モデルを構築しました。単一細胞RNA解析と空間トランスクリプトーム解析を組み合わせ、分子標的薬や抗体薬物複合体(ADC)に対する応答を、細胞間の相互作用や細胞の位置関係とともに解析しました。
その結果、肺胞上皮細胞や間質、細胞外マトリックスとの相互作用が、DTP細胞の維持に関与することが示唆されました。また、こうした周囲の微小環境への介入が、治療後に残存するがん細胞を標的とする新たな治療戦略につながる可能性を示しました。
HiLungは今後も、アカデミアや製薬企業との共同研究とヒトiPS細胞由来肺モデルの開発を通じて、各種疾患の治療抵抗性の理解と新たな創薬・薬効評価基盤の構築に取り組んでまいります。
- 発表演題
- Reconstructing drug-tolerant persister (DTP) niches in iPSC-derived alveolar lung cancer organoids for spatio-temporal dissection of cell–cell interactions and ligand–receptor targets
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